[ワシントン 27日 ロイター] - トランプ米大統領は27日、米国政府が策定してきた中東和平案を28日に発表すると明らかにした。
米国を中東和平の仲介役とみなしていないパレスチナが受け入れる可能性は低いとみられるが、トランプ氏は最終的にパレスチナ側の賛同も得られるとの考えを示した。
トランプ氏はこの日、ホワイトハウスでイスラエルのネタニヤフ首相と会談した。ネタニヤフ氏が同席する大統領執務室でトランプ氏は和平案について「全ての当事者がうなずける」ものだと指摘。パレスチナ側にとっても「彼らが求めるべき内容だ」とした。
トランプ氏は28日にネタニヤフ首相と共同会見し、和平案について説明する。
トランプ氏はネタニヤフ首相との会談後、イスラエル最大野党を率いるガンツ元軍参謀総長とも会談した。
ガンツ氏は会談後、記者団に対して「トランプ大統領の和平案は重要で歴史的な節目になる」と評価し、「(イスラエルの)総選挙後、安定した政府が直ちに中東地域の他国と協力し実行に移す」と説明した。
また、トランプ氏との会談は「素晴らしかった」と述べ、イスラエルの将来と安全のための最も重要な課題について協議したと明らかにした。
一方、パレスチナの指導部は、トランプ氏から中東和平案の説明を受けるためにワシントンには招待されていないとし、パレスチナ抜きの案はどのような内容であってもうまくいかないと指摘した。
パレスチナ自治政府のシュタイエ首相は和平案について「われわれは拒否する。和平案は、国際法の基本や奪うことができないパレスチナの権利に矛盾している。そのため、国際社会に対して同意しないことを求める」と強調した。
パレスチナは、イスラエルが1967年の第3次中東戦争で占領したヨルダン川西岸、ガザ地区、東エルサレムにおける独立国家樹立を目指すが、トランプ氏の中東和平案はその希望を打ち砕くものだと警戒している。
トランプ氏は、エルサレムをイスラエルの首都と認定し、テルアビブから大使館をエルサレムに移転するなど、イスラエル寄りの政策を打ち出しており、パレスチナは中東和平でトランプ氏の仲介を受け入れていない。
米高官によると、今回トランプ氏が発表する中東和平案は50ページ以上に及び、エルサレムの扱いなど、パレスチナとイスラエル間で最も解決が難しい問題にも言及しているという。
パレスチナ側は、公表前から和平案は既に暗礁に乗り上げていると指摘している。
*内容を追加しました。