[ウィーン 28日 ロイター] - オーストリアのブルーメル新財務相は、加盟国の予算に関する欧州連合(EU)のルールについて、たとえ気候変動対策のためであってもルールの緩和には反対と述べた。28日付の独ウェルト紙が報じた。
欧州委員会は、加盟国の財政規律を維持する責任を負っており、各国の歳出や歳入、投資が均衡しているか、債務と財政赤字がEUの安定・成長協定から著しく逸脱していないかを、毎年チェックしている。
各国が取り組む気候変動対策が財政悪化を招きかねないとの懸念が浮上する中、欧州委のジェンティローニ委員(経済)は今月、加盟国の予算監視を行う際には、気候変動対策の進捗状況にも目を向ける方針を示した。
この方針により、欧州委が各国に対して講じる財政の是正措置がどう変わるのかは、まだ分からない。再生可能エネルギーなどへの投資については、財政規律の適用を緩める可能性もあるとされる。
ブルーメル財務相は独紙に対して、ルール緩和に反対する姿勢を表明。「一部の国はルールを恣意的に解釈している。私は、むしろ厳格化に賛成だ」と語った。