[上海/香港 3日 ロイター] - 中国の上場企業は、新型コロナウイルスを巡る移動の禁止やその他の規制のため、証券取引所の期限までに監査を終えるのは難しいとの見方が広がっている。
こうした規制の導入は、多くの企業が決算提出の1年で最も忙しい時期と重なった。
提出が遅れれば、投資家や資金提供者に最新の数字を示すことができなくなり、資金調達に影響が出る可能性がある。信頼が損なわれれば株価にも影響しかねない。
状況に詳しい匿名の関係者2人によると、会計事務所各社は、上海上場企業が4月末の期限までに決算発表を行うことが困難になっている状況について、証券規制当局と協議を行っている。
同様のロビー活動は香港でも行われている。香港では上場企業は3月末までに決算発表を行う必要があるが、証券先物委員会(SFC)は取引の公正化の観点から期限延長に厳しい基準を設けている。
BDOパートナーズのマネジングディレクター、クレメント・チャン氏は「通常でも厳しいスケジュールの時期にコロナウイルスが発生し、移動制限のため監査の作業がほとんど不可能になっている」と強調。旧正月で帰省した企業の財務担当者の多くが勤務地に戻れなくなっていることも、状況悪化に拍車をかけているという。