[シドニー 6日 ロイター] - オーストラリア連邦統計局が発表した昨年12月の小売売上高は前月比0.5%減少し、2017年8月以来、最大の落ち込みとなった。南東部で森林火災が広がり、主要都市のシドニーやメルボルンが濃い煙霧に覆われて消費が抑制された。
12月の小売売上高は277億7000万豪ドル(187億5000万米ドル)に減少した。
ロイターがまとめた市場予想は0.2%減だった。11月の小売売上高は1%増に上方改定された。
オーストラリアでは、賃金の伸び悩みや高水準の債務が消費支出を圧迫しており、長年続く景気拡大の勢いが失速している。
国内の森林火災に加え、主要貿易パートナーである中国での新型コロナウイルスの感染拡大も、全般的な経済活動に影響を与える可能性がある。
10─12月の小売売上高はインフレ調整後で0.5%増と予想を上回った。ただ、年末商戦の幕開けとされる感謝祭翌日の「ブラックフライデー」の販売促進策に支援されて11月が好調だったことが主な要因で、アナリストの間では、今年1─3月には再びさえない内容になるとの指摘がある。
一方、オーストラリア・アンド・ニュージーランド銀行(ANZ)のエコノミストは今回の統計について「小売り部門で回復の兆しがみられると判断するのは時期尚早だが、明らかにに心強い内容だ」とし「2020年序盤の小売売上高は山火事やコロナウイルスがもたらすリスクに直面しているものの、下期には家計支出が改善するかもしれない」との述べた。