[北京 9日 ロイター] - 台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業 (TW:2317)が新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中国本土の工場の操業を停止している問題で、深セン市政府は9日、当局が操業再開を阻止しているとの報道は事実ではないとの声明を出した。
8日の日本経済新聞は、地元政府の衛生担当者が同社の工場を検査後、「感染拡大のリスクが高い」と指摘して操業延期を求めたと報じた。
同社の最大の工場がある深セン市竜華区の政府は9日、対話アプリ「微信(ウィーチャット)」に声明を投稿し、報道は不正確で、検査を引き続き行っていると表明。検査の完了後操業を再開する見通しだと付け加えた。
声明によると、今月6日に鴻海の子会社3社から感染予防に関する計画案を受け取ったという。声明はまた、同社工場の従業員にマスクの着用や体温検査を徹底し、安全に食事する体制を敷くよう求めている。
「同社の生産再開の状況は適時適切に公表する」としている。
同社は米アップル (O:AAPL)などにスマートフォンを供給している。
事情に詳しい関係筋はロイターに対し、鴻海工場の多数の従業員は既に休暇から戻り、10日の勤務再開のために待機しているが、河南省鄭州市、深セン、江蘇省崑山市の工場は生産再開の認可をまだ受け取っていないと明らかにしていた。
同社は8日、ロイターに電子メールで、中国の生産施設は地元政府の指示に従って操業スケジュールを決めるとしたうえで、「(地元政府の指示)よりも早い時期の生産再開を求める顧客からの要請は受け取っていない」とした。