[北京 10日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)は10日、新型コロナウイルスについて、中国に渡航歴のない患者からの感染がより広範な流行につながるきっかけになる可能性があると懸念を示した。
中国の国家衛生委員会(NHC)の発表によると、中国本土の新型肺炎による死者は9日時点で97人増え908人、感染者は3062人増の4万0171人に達した。9日に死亡した97人は、1日当たりの死者としては12月に湖北省武漢市でウイルスが確認されて以降で最多となった。死者数は2002─03年に世界的に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の死者数を上回った。
WHOのテドロス事務局長は、中国に渡航歴のない患者からの感染について「懸念される症例」が出ているとし、「より大火を引き起こす火花になり得る」と懸念。一方で、「今は火花に過ぎない。われわれの目標は引き続き封じ込めだ」と述べた。
世界保健機関(WHO)によると、新型ウイルスの調査に向け派遣した専門家チームの先遣隊が中国に到着した。
一方、復旦大学の上海医学院のWu Fan副院長は、ウイルスの感染拡大が間もなく転換点に至る可能性があると指摘した。