[広州(中国) 11日 ロイター] - 感染症研究の第一人者で中国政府の専門家チームを率いる鐘南山氏がロイターのインタビューに応じ、中国国内における新型コロナウイルスの流行が2月にピークを迎え、4月ごろに終息する可能性があると予想した。
同氏によると、中国国内の一部地域では既に状況が改善しており、新たな感染件数が減少している。同氏は2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)対策で大きな役割を果たし、国際的に高い評価を得た。
鐘氏は従来、2月より早い時期にコロナウイルスの流行がピークを迎えると予想していた。今回の予測はモデリングやここ数日の動向、政府の措置に基づいているとした。
「今月の半ばか下旬に恐らくピークを迎える可能性がある。その後はやや横ばいのような状態になり、それから収まるだろう」とし、「4月ごろに終息すると望んでる」と述べた。
その上で、新型ウイルスに「なぜこれほどの伝染性があるのかは分かっておらず、大きな問題だ」と慎重な見方を示した。
感染経路についても、排せつ物を介した感染なのか、1人の感染者が多人数に感染を広げる「スーパー・スプレッダー」によるものなのかは、明確ではないとした。
感染が拡大していない地域でのマスク着用は必ずしも必要でなく、米国などが実施した中国からの入国制限措置は「過剰反応」と指摘した。また、子どもは感染しにくいようだとの見方を示した。
同氏は、発生源である湖北省武漢市における封じ込め策が必要だと指摘。中国は恒久的に野生生物の売買を禁止すべきだとも述べた。
また、中国政府が過去のSARS危機で情報の共有に消極的だったことが危機の長期化につながったと指摘した上で、新型ウイルスの対応では世界保健機関(WHO)と連携するなど、より良い措置が講じられたと評価した。
同時に、中国は疾病対策を改善し、国際的な感染症の早期警報システムの立ち上げで役割を果たす必要があるとし、「よりしっかりとした連携や協力があれば、人から人への感染をより早期に確認できる」と述べた。
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