[ブリュッセル 19日 ロイター] - 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会のフィル・ホーガン委員(通商担当)は19日、EU・中国投資協定について、中国を発生源とする新型コロナウイルスの感染拡大により、計画通りの9月締結は難しいとの考えを示した。
投資協定を巡りEUと中国は3月下旬に北京で会合を開き、9月にドイツのライプチヒで開催される首脳会談で署名したい考え。
ただ、ホーガン委員は欧州議会の国際貿易委員会に対し、3月の会合は開かれない公算が大きいとし、ライプチヒの首脳会談での署名を楽観視していないと表明。「新型ウイルスの影響で多くの時間が失われており、すでに数々の会合が中止されている。ライプチヒの首脳会談までに合意に至るには、7月までに交渉をおおむね完了させる必要がある」と述べた。
また「多くの問題で中国との間で一定の進展を得ているが、産業補助金や技術移転の強要という重要な問題は未解決だ」とした。
さらに、別の理由で他のアジア諸国との貿易交渉の進展にも懐疑的な見方を示した。インドネシアとマレーシアは、輸送用燃料としてのパーム油の使用を2024年から段階的に禁止するとしたEUのルールに異議を唱えている。
ホーガン委員は、この問題を巡り欧州委は両国と作業部会を設置したい考えだが、詳細について合意できておらず、両国との貿易交渉の妨げになっていると述べた。
同委員は、インドのジャイシャンカル外相と今週会談し、同国との自由貿易協定が短期的には実現しないと結論付けたことも明らかにした。
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