[ロンドン 20日 ロイター] - 欧州連合(EU)の政策執行機関である欧州委員会の作業部会は20日、資本市場同盟(CMU)の進展状況に関する報告書を発表した。英国のEU離脱を受けて、EUの資本市場統合への「全面的かつ揺るぎない」政治的支持の必要性がかつてないほどに高まっていると指摘した。
EUは2015年にCMU構想を打ち出した。これは、企業の資金調達における株式・債券市場の役割を拡大し、銀行融資への依存度を低減することを目的としている。しかし、これまでのところ成果はまちまちであり、欧州最大の金融センターであるロンドンを抱える英国がEUから離脱したことから、CMUの先行きに不透明感が漂っている。
報告書は、EUに加盟する27カ国の資本市場は、以前と比べると統合が進んでいるとしつつ「まだ1つの市場として機能するには至っておらず、主要センターのロンドンは今やEUから抜けた」と指摘。
その上で、EU各国政府はCMUへの支持を表明するだけではなく、日程を明確に設定した具体的な行動を後押しする必要があるとし「CMUを実現していくためには、政治的には困難かもしれないが、実際の成果につながる措置を目指すことが必要になる」と強調した。
作業部会は、5月にCMU推進に向けた提言を行う予定。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20200221T014628+0000