[パリ 21日 ロイター] - 国際組織の金融活動作業部会(FATF)は21日、テロへの資金供与を防ぐ国際的な規範に準拠しなかったとして、イランをブラックリストに加えると発表した。
FATFは3年以上にわたり、イランに対しテロ資金供与防止に関する条約制定を要請。制定しなければブラックリスト入り猶予を解除し、報復措置を課すと警告していた。
FATFは声明で、「イランはFATFの基準に沿ってパレルモ条約およびテロ資金供与防止条約を制定しなかったため、報復措置の停止を完全に解除する」と指摘。加盟39カ国・地域に対し、有効な報復措置を適用するよう求めた。
これにより、イランとの取引に対する監視強化やイラン国内で事業を展開する金融会社への外部監査の厳格化、イランと取引している海外企業に対する圧力などにつながるとみられる。
外交筋はロイターに対し「イランは借入コストが上昇し、金融システムから締め出されることになる」と述べた。
国営イラン通信(IRNA)によると、イラン中銀のヘンマティ総裁はFATFの決定について「政治的な動機に基づくもので、テクニカルな判断ではない」と非難。今回の決定が「イランの対外貿易や為替レートの安定性に影響がないことを保証する」と述べた。