[ワシントン 1日 ロイター] - 米政府は1日、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から退避させた米国人の対応に当たった連邦職員が適切な防護具の提供や訓練を受けていなかったとする報告について調査していると明らかにした。
下院歳入委員会のニール委員長と民主党のゴメス下院議員(カリフォルニア州)は先週、アザー厚生長官に書簡を送り、クルーズ船からの退避者への対応を巡り懸念を示した厚生省職員の内部告発について問いただした。
書簡によると、この厚生省職員は、「防護具を着用せず、公衆衛生上の緊急対応や安全手順、自身や一般市民への潜在的リスクに関する訓練や経験のない状態」で隔離区域に送り込まれたと主張した。
アザー長官はCBSの番組で、内部告発を巡る調査には自身も関与していると述べ、政府は断固として職員の安全確保に当たっていると強調した。
また、厚生省職員がクルーズ船からの退避者と接触してから14日が経過しているが、感染した職員はいないと指摘。「仮に主張が事実だと判明しても、感染の拡大は起きていない」とした。
アザー長官はまた、FOXニュースの番組で、最初に懸念を提起した厚生省職員や他の職員に対する報復を政府は容認しないとの立場も強調した。
ニール、ゴメス両下院議員は政府監査院(GAO)に対し先週、内部告発した職員に対し厚生省が報復したとの報告について1週間以内に説明するよう求めた。
アザー長官は1日、人事についてコメントするのは不適切として、内部告発者が別のポジションに配置転換されたかどうか言及を控えた。そのうえで「厚生省の機能について懸念を示したことを理由に配置転換されたり、差別や報復を受けることはない」と述べた。