[シドニー 6日 ロイター] - オーストラリア連邦統計局が発表した1月の小売売上高は前月比0.3%減の276億3000万豪ドル(182億7000万ドル)と、ロイターがまとめた市場予想の前月比横ばいを下回った。
南東部で森林火災が広がり、消費者が外出を控えたことが響いた。昨年12月の改定値は0.7%減。
統計局は1月の統計には新型コロナウイルスの感染拡大の影響はみられなかったと指摘。様々な分野の小売業者が、森林火災を受けた客足の減少、営業時間の縮小、観光客の低迷を報告した。
食品小売りを除くすべての分野で売上高が減少した。
エコノミストは、2月以降の統計で新型ウイルスの影響が出てくると予想している。
求人サイト「インディード」のアジア太平洋担当エコノミスト、カラム・ピカリング氏は「サプライチェーンの混乱で、様々な商品の在庫が減少する公算が大きい。消費者は必需品以外の支出は控えるだろう。観光の減少も打撃になる」と述べた。
オーストラリアでは60人が新型ウイルスに感染。このうち2人が死亡した。市中感染も増えている。
一部のエコノミストは、第1・四半期の経済成長率が9年ぶりにマイナスになるとさえ予想している。
ピカリング氏は「不透明感と不安が重なると、ろくなことはない。経済成長にプラスではないことは明らかだ」とし「オーストラリア経済は、世界的な金融危機のピーク以降で、最も先行きが不透明になっている」と述べた。