[ブッリュセル 6日 ロイター] - 欧州連合(EU)は、新型コロナウイルスの感染拡大で特に打撃を受けている経済分野を対象に国家補助金や金融支援のルールの適用を一時停止することを検討している。
EU当局者が6日、明らかにした。
欧州委員会は暫定的な内部分析で、今年のユーロ圏の経済成長率が、新型ウイルスの感染拡大を受け、先月時点の予測である1.2%を下回る可能性が高いとの見方を示した。
EUは、加盟各国の景気対策とは別に、新型ウイルスで打撃を受けている観光・輸送・自動車などの分野を対象に的を絞った対策を導入することを検討しているという。
同当局者は「一部の分野では、国家補助ルールの検討が必要になるような特別な支援のニーズがあるかもしれない」と発言。議論はまだ予備的な段階だと述べた。
EUは2008─09年の世界的な金融危機の際に、銀行を救済するため、国家補助の枠組みの一部を停止したことがある。
同当局者は、直ちに支援を必要している産業に対し、欧州投資銀行が、中小企業向けの債務保証などを通じて追加の金融支援を行う可能性があると述べた。
EUは、新型ウイルス対策で歳出拡大が必要になる加盟国を対象に、財政ルールを柔軟に運用することも検討している。