[ソウル 10日 ロイター] - 北朝鮮国営の朝鮮中央通信社(KCNA)は10日、金正恩朝鮮労働党委員長が9日に「火力打撃訓練」を視察したと伝えた。
韓国軍によると、北朝鮮は9日、演習の一環として、東岸から飛翔体を複数発射していた。
KCNAによると、金委員長は、朝鮮人民軍の指揮官らと訓練を視察。「結果に非常に大きな満足」を示したという。
またKCNAは「火力打撃訓練は、長距離砲部隊の軍事的反撃能力を点検することが目的」とした。
公開された写真からは、兵士らが複数の大砲を撃つ様子や多連装ロケット弾発射システムからミサイルを発射する姿がうかがえる。
韓国統合参謀本部によると、9日は多連装ロケット砲を含む飛翔体が発射され、最大200キロ飛行し、高度50キロに達した。
北朝鮮は2日にも、短距離弾道ミサイルとみられる飛翔体2発を発射。これを受けて5日に開かれた国連安全保障理事会の緊急会合後、英国とドイツ、フランス、エストニア、ベルギーの5カ国は、ミサイル発射が安保理決議に違反しているとして北朝鮮を非難する共同声明を出した。
しかし、北朝鮮外務省は欧州の姿勢を「米国に扇動された向こう見ずな行動」と非難。金委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長は、同国が行った軍事訓練は他国を脅かすものではないと主張し、ミサイル発射を正当化した。