[10日 ロイター] - ニュージーランド準備銀行(中央銀行)のオア総裁は10日の講演で、現時点で非伝統的金融政策を講じる必要はないが、力強く継続的な経済成長を確実にするための措置を検討していると述べた。
中銀は、現行1%の政策金利(オフィシャル・キャッシュレート、OCR)を、ゼロ近辺になるまで引き続き活用すると表明。2年以内に政策金利が今よりも1%低い水準になる確率は20%程度だとし、ゼロ金利の可能性は低いものの、完全には排除できないと説明した。
総裁は「これまでに中銀は、政策金利に代わる代替的な金融政策ツールを活用したことがなく、現時点でも必要としていないが、準備を整えておくことが最善だ」と述べた。
非伝統的金融政策としては、中銀の金融政策方針を示すフォワードガイダンスやマイナス金利、金利スワップなどを検討しているとし、大規模の資産買い入れや、ニュージーランド(NZ)ドルを押し下げるための外貨買い入れなども考慮していると説明した。
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ウエストパックのエコノミスト、マイケル・ゴードン氏は「われわれが知る限りでは、金利スワップは選択肢ではない。ただ、ニュージーランドではスワップ市場が国債市場よりも活発で、長期金利の指標となる傾向がある」と述べた。●ここまで
伝統的金融政策および非伝統的金融政策における全ての措置は、政府が講じる措置と共に実施された場合、より効果的だとの考えを示した。
景気や今後の政策金利には言及しなかったが、3月25日の次回政策会合で中銀当局者は、各国の金融および財政対応を考慮する必要があるとの認識を示した。
NZ中銀は昨年、政策金利を75ベーシスポイント(bp)引き下げた。次回会合については、25bpの追加利下げで過去最低の0.75%にすると予想されている。