[シドニー 13日 ロイター] - オーストラリアのモリソン首相は13日、新型コロナウイルス対策として、16日以降は500人以上の不要不急の集会を自粛するよう市民に要請した。学校、空港、公共交通機関は対象外となる。首相はまた、市民に対し、海外渡航計画を再考するよう促した。
集会自粛の要請は、感染拡大が深刻な諸外国と同様に大規模な集まりを禁止するよう求めた保健当局の勧告を踏まえた措置。フォーミュラワン(F1)豪グランプリは勧告に従い、開催中止となった。
豪州でこれまで確認された新型コロナ感染者は156人で、死者は3人。南半球ではこれから冬が到来することから、保健当局は今後6カ月で感染者が急増すると予想している。
ニューサウスウェールズ州のケリー・チャント主席医務官は、感染の最初の波は人口の20%を巻き込むことになるだろうとの見方を示した。
豪政府はまた、これまで中国、イラン、韓国からの旅行者が対象だった入国禁止措置にイタリアを追加した。
スポーツが盛んなオーストラリアでは人気がとりわけ高いラグビーとオーストラリアンフットボールのシーズンが始まりつつあるが、観客動員数が多いことから感染リスクが高いとみられる。
ビクトリア州のダニエル・アンドリュー州首相は、オーストラリアンフッドボールは19日に始まる今シーズンの開催を見送る必要があるかもしれないと指摘。
モリソン首相は、ラグビーリーグのひいきのチームを応援するため、今週末に開かれる試合を現地観戦すると明らかにしたうえで「この試合の後は長い間観戦できなくなるかもしれない。それでも結構だ。今後はテレビで観戦することになるだろう」と述べた。
*内容を追加します。