[オスロ 13日 ロイター] - ノルウェー中央銀行は13日、政策金利を1.5%から1.0%に50ベーシスポイント(bp)引き下げた。新型コロナウイルスの感染拡大による経済への悪影響を緩和するため、緊急利下げに踏み切り、状況次第で追加利下げも辞さない姿勢を示した。
また銀行の資本規制を緩和、銀行向けの緊急流動性供給の第1弾をオファーした。
金融政策委員会は声明で「新型コロナウイルスの感染拡大の期間や影響についてかなりの不確実性があり、景気悪化のリスクが生じている。委員会は状況を注視しており、追加利下げの用意もある」とした。
ノルウェー中銀の次の金融政策発表は19日の予定だった。
ハンデルスバンケンのチーフエコノミスト、カリ・デュー・アンドレセン氏は、現在の状況下であと6日待つのは現実的でないと指摘した。
中銀は、新型コロナの影響で国内外の経済活動に支障が出ているとして、今年の成長率予想を0.4%と、昨年12月時点の1.9%から大幅に下方修正。
「政策金利の引き下げで、新型コロナウイルスの国内経済への多大な影響を防ぐことはできないが、生産や雇用がより持続的な影響を受けるリスクや景気悪化を抑制することは可能」と説明した。
ハンデルスバンケンのデュー・アンドレセン氏は「中銀は状況をフォローし必要なら追加利下げする可能性があるとしているが、それが必要になるとみている」と述べた。
ノルデア・マーケッツは、中銀の金融政策報告で示された予測から、5月か6月に25ベーシスポイント(bp)利下げが予想され、その後さらなる利下げの可能性がわずかながらあると指摘した。
中銀はこの日、新型コロナ対応として12日に発表していた、期間3カ月の銀行向け流動性供給の第1弾をオファー。
また銀行の融資を促すために資本基準を緩和。景気が良好な時に積み上げておき、悪化局面で取り崩すことができるカウンターシクリカル資本バッファー(CCyB)比率を2.5%から1.0%に引き下げた。
金融業界団体ファイナンス・ノルウェーは、CCyB引き下げで5000億─6000億クローネ(500億─600億ドル)の融資余力が生まれると試算。「企業の借り入れニーズの高まりに対応する強力で効果的な措置」とイダー・クロイツァー代表は述べた。
通貨クローネは対ユーロで小幅上昇。発表直前の1ユーロ=11.21クローネに対し、1029GMT(日本時間午後7時29分)時点で11.19クローネで推移している。
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