[北京 16日 ロイター] - 中国政府は、延期されている全国人民代表大会(全人代、国会に相当)と全国政治協商会議(政協)を4月末か5月上旬に開催することを暫定的に計画している。2人の関係筋がロイターに話した。
新型コロナウイルスの感染件数が中国以外で急増する中、中国では伸びが急減速している。
全人代と政協は3月上旬に開幕する予定だったが、新型ウイルスの影響で延期となり、新たな開催日程はまだ発表されていない。
会期中は北京の人民大会堂に総計5000人の代表者が集まる。全人代と政協を開催することは、国内の状況が平常に戻っていると政府が判断していることを示す大きな兆しだ。
中国国務院(内閣に相当)の情報局と全人代常任委員会のメディア担当局はコメントの要請に応じていない。
中国の武漢で発生した新型ウイルスの感染者数は国内で8万人超、死者数は約3200人。景気は大混乱し、1─2月の鉱工業生産は30年ぶりの大幅なマイナスを記録した。
全人代の日程はまだ確定していない。1人の関係筋によると参加人数を制限する可能性があり、北京以外の場所から訪れる者は隔離措置を取った後に参加することとなる。
現在、北京への訪問者は2週間の隔離措置を取る必要がある。
関係筋は匿名で「新型ウイルスが世界中に広がる中、依然として状況に応じて進めないといけない」と話した。
全人代は通常少なくとも10日間にわたり、政協は全人代と並行して開催される。
全人代では法案を可決するほか、経済関連の目標や防衛費の見通し、その他の重要な政策が発表される。
今年の全人代は、ここ数カ月間の香港での反政府デモが議題に挙がるとみられる。中国経済も主要な議題の一つだ。
中国の国家衛生健康委員会は先週、国内の流行のピークは過ぎたと表明。政府の統計によると、本土では新たな感染者が減る中、ここ数日間は本土以外から訪問した感染者が大半を占めている。
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