[ベルリン 16日 ロイター] - ドイツは16日、新型コロナウイルスの感染拡大阻止に向け、食料品店や薬局などを除く大半の小売店の休業や、レストランの営業時間の制限のほか、宗教施設などでの集会の禁止を含む抜本的な措置を発表した。これによりほぼすべての国民が自宅待機状態になっているイタリアとスペインの状況に一歩近づいた。
メルケル首相は措置を発表するにあたり国民に協力を要請。記者会見で「こうした規則が守られれば守られるほど、迅速な終息が可能になる。誰もが迅速な終息を望んでいると信じている」と述べた。
連邦政府と州政府が合意したガイドラインによると、バー、ナイトクラブ、劇場、動物園、風俗店の営業が禁止されるほか、教会やモスクなどの宗教施設やスポーツクラブなどでの集まりも禁止される。レストランの営業時間は午前6時から午後6時までとする。一方、食料品店、薬局、銀行、配達業者は通常通り営業を続ける。ドイツでは学校の休校措置はすでに取られている。
メルケル首相は、感染拡大のペースを鈍化させ、治療が必要な深刻なケースが医療機関で対応できる範囲を超えないようにすることが重要と述べた。
ドイツ国内ではこれまでのところ6700人が新型ウイルスに感染。感染による死者は14人。政府は感染拡大の阻止に向け、週末の間にオーストリア、スイス、フランス、ルクセンブルク、デンマークとの国境を一時的に閉鎖した。
当局者によると、政府は新型ウイルスの感染拡大による影響で独経済は今年はマイナス成長に陥るとの見方を示している。