[イスタンブール 17日 ロイター] - トルコ中央銀行は17日、政策金利の1週間物レポレートを100ベーシスポイント(bp)引き下げ、9.75%とすることを決定した。中銀は19日に予定されていた決定会合を前倒しして実施。新型コロナウイルス感染拡大による影響で大きく動揺している金融市場の安定化に対応する。
中銀はこのほか、翌日物借入金利を9.25%から8.25%に、翌日物貸出金利を12.25%から11.25%に引き下げた。利下げは7会合連続で、これにより実質金利は一段と大きくマイナス圏に落ち込んだ。
利下げを受けトルコリラは1ドル=6.4900リラに下落。年初からの下落率は8%に達した。
トルコのインフレ率は12%を超える水準に上昇。ただ中銀は、リラ相場は下落しているものの、コモディティー(商品)価格の下落と全般的な経済活動の低下で国内の物価上昇は緩和するとの見方を示した。
中銀は声明で「新型ウイルスの感染拡大がトルコ経済に及ぼす影響を緩和するには、金融市場の健全な機能の保全のほか、企業のキャッシュフローの確保などが重要になる」と指摘。銀行システムに対し可能な限りの流動性を供給するとし、期間最長91日のレポ取引を通してリラ建ての流動性を供給すると表明した。金利は1週間物レポレートを150bp下回る水準となる。
ラボバンクのシニア新興国市場外為ストラテジスト、ピョートル・マティス氏は「内外の需要低迷を反映し、トルコ経済は短期的に大きな衝撃を受ける」と予想。トルコ政府は2018年の通貨危機への対応で利用可能な政策ツールをほぼすべて使い果たしているため、新型ウイルスによる危機は極めて悪いタイミングで発生したと述べた。