[チューリヒ 6日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行、SNB)のサイト・デポジット(市中銀行が中銀に預ける要求払い預金、当座預金)が先週再び拡大し、前週の6204億5500万フランから6271億6500万フラン(6420億ドル)へと増加した。
中銀はフラン軟化に向け為替市場に介入しているほか、新型コロナウイルス感染拡大を受け景気支援措置を取っている。
増加幅は前週の116億フランを下回ったものの、過去12カ月で2番目の大きさだった。サイト・デポジットの増加は通常、中銀の為替介入の表れと見られている。
中銀は6日、コメントを避けた。中銀はこれまで、フラン安定のため介入を強化すると約束している。
ここ数日のフランの対ユーロ相場は1.055フラン前後で安定。中銀介入が功を奏していることが示されている。
ただ、エコノミストらによると、サイト・デポジット増加の別の要因として、中銀は「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)リファイナンシング・ファシリティー(CRF)」を通じて商業銀行が追加の流動性を獲得できるようにしている可能性もある。
UBSのエコノミスト、アレサンドロ・ビー氏は「中銀は潤沢な流動性で景気を支援しているが、介入を通じてどの程度輸出を支援しているのか、その他の措置を通じて国内経済をどの程度支援しているのかは分からない」と述べた。