[マドリード 27日 ロイター] - スペイン当局は27日、新型コロナウイルス感染防止のために導入した厳しい外出規制の一段の緩和に向けた準備を進めた。26日からは子どもの屋外活動が6週間ぶりに制限付きで許可されたが、ルールが守られていないとの指摘も出ている。
一方、イリャ保健相は27日の会見で、新型コロナ対策の新たなルールについて、大半の人の行動は模範的だと評価し、導入初日に大きな問題はなかったとの見方を示した。ただ、感染予防のために引き続きソーシャルディスタンス(社会的距離)を守るよう訴えた。
スペインでは、新型コロナの感染拡大を阻止するため、3月14日に非常事態宣言が出されたが、感染率は抑制されており、政府は移動制限の解除を進めている。
26日には、子どもが屋外に出ることが可能になった。大人の同伴を条件に、14歳以下の子どもが自宅から1キロメートルの範囲内で1日1時間まで屋外で活動することが可能になる。ただ、公園の利用や玩具の共用は認められず、周囲と2メートル以上の距離を保つことが求められる。[nL3N2CE0O7]
一方、一部の地方当局者からは、子どもがルールを守らないことを親が容認しているなどの声が出ている。またテレビでは、各地の公園や遊歩道で大勢の人が集まっている様子が報じられている。
首都マドリードでは、警察がドローン(小型無人機)を使い、娯楽施設がある場所などをパトロールし、新たなルールを守るようスピーカーで呼びかけている。
グランデマルラスカ内相は「新たなルールは子どもの健康を守るためだ」と強調。家族全員で散歩したり、子どもが集団で遊んでいるなどの報告があったが、これらは引き続き禁止されていると述べた。