[ブラジリア 27日 ロイター] - ブラジルの最高裁判所は27日、ボルソナロ大統領が政治的動機から連邦警察の捜査や人事に介入しようとしたとされる問題について、警察が捜査することを承認した。最高裁がウェブサイトで明らかにした。
モロ法務・公安相が24日、ボルソナロ氏が警察人事に介入したと抗議して辞任した後、アウグスト・アラス検事正が捜査を要請し、セウソ・デ・メロ判事が連邦警察に60日間にわたって捜査することを認めた。
モロ氏は、ボルソナロ氏が個人的および政治的な理由から警察庁長官を更迭したほか、自身の家族が関わる捜査に介入しようとしたと糾弾した。
ボルソナロ氏は、捜査に介入したことはないし、自身には警察幹部の人事権があると主張、モロ氏の批判に「根拠はない」と反論したが、元判事で、汚職に関わった政治家や企業幹部らに厳しい判決を下し、国民の人気の高さから「スーパー閣僚」と呼ばれていたモロ氏が辞任したことから、政界ではボルソナロ氏への風当たりが一段と強まっている。[nL3N2CE0QU]
ボルソナロ氏に対しては、新型コロナウイルスの感染拡大の深刻さを軽視して対応を誤ったとする批判も強まっている。
警察による捜査結果に基づき、検察が大統領の刑事責任を問うかどうかを決定する。
ブラジルでは、大統領を起訴し、最高裁で裁判をするためには下院の承認が必要。下院はボルソナロ支持派が大多数を占めるため、起訴が承認される可能性は低い。
ボルソナロ氏が起訴された場合、大統領の職務は停止され、モウラン副大統領が最大で180日間、暫定大統領となる。裁判で有罪となれば、ボルソナロ氏は罷免される。