[北京/シンガポール 7日 ロイター] - 4月の中国の原油輸入は前月比で増加した。新型コロナウイルスの流行による燃料需要への影響が和らぐなか製油所の処理量が拡大したほか、海外の需要低迷で原油価格が急落したことが押し上げ要因となった。
中国税関総署の発表を基にロイターが試算したところによると、4月の輸入量は約4282万トンで、日量換算では1042万バレルに相当する。
3月の日量換算968万バレルを上回ったが、前年同月の同1064万バレルはやや下回った。
1─4月の輸入量は1億7000万トン(日量換算1026万バレル)で、前年同期比1.7%増加した。
サブライム・インフォの石油アナリスト、Wang Zhao氏は「中国の燃料需要は回復しているが、昨年と同様の水準にはまだ達していない」と指摘した。また「市場は新型コロナ流行期の燃料在庫を現在も消化している」と述べた。
同氏は燃料消費の回復を受けて製油所が今後、原油処理量を一段と拡大するとみており、中国石油化工(シノペック)や中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)の処理量は5月中に新型コロナ流行前の水準に回復する可能性があると予想した。
また、サブライム・インフォなどのデータによると、「ティーポット」と呼ばれる独立系製油所の平均稼働率は2月中旬に一時42%まで低下したが、4月下旬には約70%と、新型コロナ流行前の水準に上昇している。