[デトロイト/サクラメント(米カリフォルニア州) 7日 ロイター] - 米国のミシガン州とカリフォルニア州は、新型コロナウイルスの感染拡大で閉鎖していた製造業を数日以内に再開させる計画を明らかにした。
ミシガン州のウィットマー知事は7日、週明け11日から製造業の再開を認めると発表した。これにより、新型コロナの影響で一時帰休を余儀なくされていた従業員の職場復帰に向け、大きなハードルがひとつ取り除かれた。
一方、新型コロナの感染「第2波」の防止に向け、15日に期限を迎える自宅待機命令は28日まで延長すると表明。声明では「われわれはまだ危機を脱したわけではないが、今回の対応は重要な一歩になる」と述べた。
ウィットマー知事はこれまで封鎖措置の緩和を見送り、経済の早期再開を求める一部住民は抗議デモを起こしていた。また、米自動車産業では多くの主要部品メーカーが同州デトロイト周辺に拠点を置いていることから、全米各地での車両組み立ての再開が困難となっていた。
全米自動車労組(UAW)は4月、自動車工場とミシガン州経済を5月に再開するのは「あまりに早くあまりに危険」だとしていたが、今週になって再開計画への反対を取り下げた。[nL3N2CC03B]
米国の自動車産業は国内総生産(GDP)の6%を占め、83万500人以上の雇用を抱える。
一方、米自動車産業のサプライチェーンとのつながりが強いメキシコでも生産が再開されない限り、米国内の生産は全面的には回復しないと各社幹部は指摘する。
メキシコ政府は11日に自動車産業の再開に向けた計画を発表する予定。政府高官が匿名を条件に語った。
カリフォルニア州のニューサム知事も、製造業を8日にも再開させるための新規定を公表した。パソコンや電子機器などの工場に加え、倉庫や物流施設を再開する。小売店では注文した商品を顧客が店頭で受け取るサービスが始まる。
同州は3月19日、他州に先駆けて外出禁止令を出した。ニューサム知事は感染率抑制で十分な進展があったとし、段階的に経済を再開できるとの見方を示した。
ウィットマー知事の判断は、ミシガン州と同様に自動車産業の重要拠点であるオハイオ州が4日から製造業の再開を認めたことに影響を受けたとみられる。[nL3N2CF4G0]
オハイオ州のデワイン知事は7日、対人距離の確保を条件にレストランやバー、理美容院などの営業再開を月内に認める方針を示した。
数週間にわたる事業閉鎖によって米経済が大きな打撃を受け、失業者が1930年代の大恐慌以来の水準に急増する中、政治家には経済再開を求める圧力が強まっている。
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