[クアラルンプール 20日 ロイター] - マレーシアのマハティール前首相(94)は20日、後を継いだムヒディン首相の倒閣に向け全力を尽くすと述べた。2年前の総選挙で国民が支持しなかった汚職疑惑まみれの統一マレー国民組織(UMNO)を政権に復帰させたことを非難した。
マレーシアは新型コロナウイルスの危機や経済の落ち込みに直面している。こうした中、政治や政策面で先行き不透明が高まりそうだ。
2月に首相を辞任したマハティール氏は、ムヒディン氏が野党UMNOの支持を得て首相に就任したことの合法性について異議を唱えた。
マハティール政権の一員だったムヒディン氏は3月、下院議員の過半数の支持を得るためにUMNOと組み突如首相に就いた。反対派は、国民の投票ではなく同盟を組み替えることで政権の座を奪ったと批判している。
今週初め、政府はマハティール氏が提案する首相不信任案の採決を回避した。新型ウイルスの危機と経済の落ち込みの対応を優先するべきとの主張だった。
マハティール氏は、ムヒディン氏の勢力が下院222議席の過半数を2議席上回るにすぎないとし、野党・人民正義党(PKR)のアンワル党首と協力してムヒディン首相の倒閣を目指すと表明した。
マハティール氏は「マレーシア史上最少の過半数だ」と指摘。「ムヒディン氏は窮地に立つことになる。ムヒディン氏が首相であることが合法でないと証明できる機会があるたびに、その機を逃さない」と述べた。不信任決議案が採決されなければ、野党はムヒディン政権が提出する法案全てに反対すると警告した。