[ワシントン 7日 ロイター] - 米首都ワシントンで続く人種差別などへの抗議デモを巡り、トランプ大統領がある時点で、1万人の連邦軍部隊を投入して事態を沈静化させたいと望んでいたことが分かった。米政府高官の1人が明らかにした。
ミネソタ州ミネアポリスで起きた白人警官による黒人男性暴行死事件をきっかけに始まった抗議デモに対して、トランプ氏が国防総省首脳部の反対にもかかわらず、こうした強硬姿勢をあわや実行しようとしたため、政権内で激しい議論が起きたもようだ。政府高官によると、エスパー国防長官やミレー統合参謀本部議長に加え、バー司法長官も連邦軍の首都派遣に異議を唱えたという。
その後トランプ氏は、国防総省が従来から治安維持のために用いられてきた州兵の投入を進言すると、納得したとみられる。ただエスパー氏が陸軍の即応戦力の第82空挺師団に出動待機命令を出していたことから、トランプ氏が本気で連邦軍を使うつもりがあった様子が見て取れる。
ホワイトハウスはコメント要請に応じていない。
バー氏は7日のCBSテレビの番組で、連邦軍はワシントンの街角に派遣されなかったが、憲兵部隊を周辺に配置し、必要なら投入する準備をしていたと明らかにした。