[メルボルン 8日 ロイター] - オーストラリアのバーミンガム貿易・観光・投資相は8日、中国との緊張緩和に向けて数週間前から続けている協議の要請に中国側がいまだに応じていないと明らかにした。
バーミンガム氏は豪公共放送(ABC)のラジオ番組で「残念ながらわれわれの協議要請はこれまでのところ否定的な対応を受けている」と述べた。
中国はオーストラリアにとって最大の輸出相手国だが、豪州が新型コロナウイルスの発生源について国際的な調査を呼び掛けたのをきっかけに両国関係は悪化した
中国は豪大手食肉加工業者4社が出荷した牛肉の輸入を停止し、豪産大麦に高関税を課した。ただ、双方はこれらの動きは新型コロナを巡る対立とは無関係としている。
中国は5日、国民に対し、オーストラリアへの渡航を回避するよう勧告した。新型コロナ流行に絡む中国人への人種差別と暴力を理由に挙げた。豪政府は反発している。
中国外務省の華春瑩報道官は定例会見で、バーミンガム氏の貿易に関するコメントを否定しなかったものの、両国の外交ルートは開かれていると発言。
「オーストラリアが中国に歩み寄り、相互尊重と平等の原則を心から守り、両国の相互信頼・協力に有益なことをさらに行うと期待する」と述べた。