[モスクワ 8日 ロイター] - モスクワのソビャニン市長は8日、新型コロナウイルスの感染拡大は収束しつつあり、6月中に市民は通常の生活を再開できるとし、感染拡大抑制策として導入されている外出禁止などのロックダウン(都市封鎖)措置を解除する方針を示した。
ソビャニン市長は「新型ウイルスの感染拡大は過去数週間にわたり、緩やかではあるが安定的に収束してきた。モスクワ市民は通常の生活に戻ることができる」と個人ブログに書き込んだ。
その上で、同市の封鎖措置を9日から解除すると発表。電子通行証や自主隔離措置なども廃止すると明らかにした。16日からはレストランやカフェに屋外席での営業を認める。
これに先立ちミシュスチン首相は、新型コロナウイルス流行を受けて導入した外出制限を緩和し、仕事や学業、親戚の介護のための国外渡航を認めると発表。3月下旬以来初めて国境を開放した。
ミシュスチン首相は「ロシア国民は国外に住む親戚の介護や仕事、学業のために国外に行くことができる」とし、治療で海外に渡航することも認められると述べた。外国人が、治療や近親者を介護するためにロシアに入国することもできるようになる。
ロシアは3月30日に国境を封鎖。新型コロナの感染拡大を抑えるために国際便を停止し、外出制限を導入した。
ロシアの新型ウイルス感染者数は累計で47万6658人と、世界で3番目に多い。ただ国内感染のホットスポットとなっているモスクワでは1日の新規感染件数は2000件と、約半分の感染水準に減少している。感染による死者は5971人。他の国と比べて少ないため、死亡数の統計手法などに疑問が出ている。