[ワシントン 22日 ロイター] - 米連邦最高裁は22日、トランプ政権が課した輸入鉄鋼への追加関税が違憲だとして差し止めを求めた業界団体、輸入鉄鋼協会(AIIS)の訴えを退けた。
AIISは鉄鋼商社や鉄鋼ユーザー企業で組織する業界団体で、自由貿易を支持。2月に連邦巡回区控訴裁で訴えが退けられたのを受け、最高裁に上訴していた。
トランプ大統領は安全保障上の懸念を理由に、2018年3月に海外から輸入する鉄鋼とアルミニウムに25%と10%の追加関税を課した。カナダとメキシコを含む一部の国は適用除外となっている。
AIISが最初に訴訟を提起したのは2018年6月で、安全保障上の理由に基づく関税発動の根拠となっている通商拡大法232条について、議会が持つべき権限を大統領に過度に集中させているとして違憲性を主張。しかし、国際貿易裁判所は19年3月にこの訴えを退ける判断を下し、AIISは連邦巡回区控訴裁に上訴していた。
同じ訴訟で最高裁は19年6月にAIISの訴えを棄却している。