[ドバイ 23日 ロイター] - イエメンのイスラム教シーア派武装組織「フーシ派」の報道官は23日、サウジアラビアの首都リヤドの国防省と軍の基地に向けて弾道ミサイルとドローン(無人機)で攻撃を行ったと表明した。一方、サウジ側は攻撃を阻止したと発表した。
フーシ派の報道官はテレビ演説で「数多くの弾道ミサイルとドローンが敵国であるサウジの首都を狙い、国防省や空軍基地などの軍事本部を攻撃した」と指摘。イエメンとの国境付近に位置するサウジ南部のナジュラーンとジーザーンの軍事施設も攻撃したという。
これに対し、サウジ主導の有志連合軍はフーシ派がリヤドに向けて発射した弾道ミサイルを迎撃したと発表した。具体的な標的に関する連合軍およびサウジ当局による確認は現時点で取れていない。
ロイターは夜明け近く、リヤド上空で2度の大きな爆発音が鳴り響き、煙が上がったことを確認した。現時点で被害や死傷者などの報告はない。
連合軍は5年前からフーシ派との戦闘を続けているが、先月、新型コロナウイルスの流行に伴う6週間の停戦期間が終了して以降、戦闘が激化している。
連合軍の報道官は声明で、リヤドへの攻撃は「民間人を標的とした計画的な敵対行為」と非難した。国防省や空軍基地を攻撃したとするフーシ派の発表に関するコメント要請には現時点で応じていない。
サウジアラビア国営テレビによると、連合軍は23日未明、フーシ派がサウジのナジュラーンとジーザーンに向けて発射した弾道ミサイル3発を迎撃したと発表。ミサイルは市民を標的にしていたと説明した。
連合軍は、22日にも爆発物を載せてサウジに向かっていたドローン8基を迎撃したと発表。これらのドローンもイランが支援するフーシ派が飛ばしたものだったという。
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