[メキシコ市 25日 ロイター] - メキシコのロペスオブラドール大統領が25日、女性が家庭で高齢の家族の面倒を見るという伝統が新型コロナウイルス感染抑制に有効だと示唆し、男女差別的な発言だと批判を浴びている。
同大統領が女性に対し配慮に欠けた発言を行って批判されるのは、これが初めてではない。
同大統領は「女性の役割を変えたいと考えるのはフェミニズムの目標の1つに過ぎない。メキシコでは伝統的に、女性が両親の面倒を見るものだとされてきた。男性は介護にあまり関与しない」と述べた。
また、欧州では高齢者介護施設で新型ウイルス感染が拡大する一方、メキシコでは高齢者を家族が自宅で介護する習慣があると指摘。「家族は最も重要な社会の安全網だ」と述べた。
これに一部議員らは猛反発。政党「市民運動」のマルタ・タグレ議員はツイッターに「大統領の19世紀的発言を翻訳すると、男性は高齢者の介護をする責任はなく、女性は無償の労働をするものであり、伝統とは男性優位主義のことだ」との批判を投稿した。