[シンガポール 3日 ロイター] - シンガポール国立大学で触覚を再現できる「電子皮膚」が開発中だ。義肢を装着した状態で物体の確認、感触の認識にとどまらず、温度や痛みまで感じられることを目指している。
開発中の電子皮膚「ACES」は約1平方センチメートルの大きさで、100個の小さなセンサーで構成されている。
開発者らによると、ACESはヒトの神経系よりも速く情報を処理し、20─30の異なる感触を認識でき、90%の正確さで点字の手紙を読めるという。
開発リーダーのベンジャミン・ティー氏は、人気SF映画「スター・ウォーズ」で右手を失った主人公が機械の義手を付け、触覚を取り戻したような場面から人工皮膚の着想を得たと語った。
同氏によると、ACESは一度接触するだけで異なる感触を認識でき、人工知能(AI)のアルゴリズムを使った迅速な学習も可能。
ACESの技術はまだ試験段階だが、医学界から強い関心が寄せられているという。