[シドニー 12日 ロイター] - 豪連邦統計局が12日発表した第2・四半期の賃金価格指数は、季節調整済みの前期比で0.2%上昇と、市場予想の0.3%上昇を下回り、1997年の統計開始以来の低い伸びにとどまった。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で消費者信頼感や企業景況感が冷え込む中、家計の購買力に一段の痛手となる。
賃金価格指数は、前年同期比の上昇率も1.8%と、これまで標準的と考えられてきた水準を大きく下回り、統計開始以来の低い伸びとなった。
第1・四半期の賃金価格指数は前期比で0.5%上昇していた。
連邦統計局の幹部は、今回の統計で新型コロナに伴う封鎖措置の影響が初めて完全に反映されたと指摘。「企業幹部や高賃金の職業の多くで、賃金が大幅に下がったことが、民間賃金低下の主因だ」と述べた。
BISオックスフォード・エコノミクスのチーフエコノミスト、サラ・ハンター氏は「雇用の崩壊と不況を踏まえれば、賃金の伸びは今後、非常に低い水準にとどまる公算が大きい」と指摘。
同国の州政府は、厳しい財政状況を受けて、賃金を凍結する方針をすでに示している。
インフレ率も低迷しているため、豪準備銀行(RBA)は緩和的な金融政策スタンスを維持するとみられている。
メルボルン研究所とウェストパック銀行が公表した8月の消費者信頼感指数は前月比9.5%低下した。ビクトリア州で新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて厳しいロックダウン(封鎖措置)が導入される中、大きく落ち込んだ。
ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)が発表した7月の豪企業信頼感指数は、国内で2番目に人口の多いビクトリア州が新型コロナウイルスの感染第2波に直面していることから大幅な低下となった。
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