[オタワ/トロント 11日 ロイター] - カナダのトルドー首相は、モルノー財務相と政策面で対立していると報じられたことを受け、財務相には「全幅の信頼」を置いていると述べた。
グローブ・アンド・メール紙は、匿名筋が明らかにしたところとして、トルドー首相はモルノー財務相が新型コロナウイルス感染拡大からの回復を扱う人物として適任と確信していないと報道。これを受けアナリストの間で、政府内の混乱に対する懸念の声が出ている。
首相官邸から発表された声明は「首相はもちろん、財務相に全幅の信頼を置いている。これに相反する発言はすべて誤りだ」と明言。財務相の「重要な働き」を称賛した。
グローブ紙は、トルドー首相がコロナ対策として支出を望む金額について、モルノー財務相が不満を表していると伝えた。
カナダはこれまでに、コロナ関連での直接支援として2120億カナダドル(1597億米ドル)以上を支出しており、支援総額は国内総生産(GDP)の約14%に相当している。
今年度の同国財政赤字は3432億カナダドルの見通しで、そうなれば第二次大戦以後、最大の赤字幅となる。
モルノー氏は、2015年末に自由党が政権を獲得して以来、財務相を務めている。