[シドニー 14日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)のロウ総裁は14日、別の債券買い入れプログラム導入や一連の政策措置の調整を行う可能性を排除していないと表明した。その上で「最善の行動」は現在の政策を継続することだとの見解を示した。議会の経済委員会で証言した。
総裁は質疑応答で、オプションを使い果たしていないとしつつ、金融政策が合理的にできることには限界があると指摘。「3月に導入したパッケージに一定の調整を加える可能性はある。調整を加えることで何らかのけん引力が得られるとは現時点で私は考えていない」と述べた。
その上で「主な勝負は財政・構造政策になるだろう。それがわれわれが直面する現実だ」と付け加えた。
また、財政刺激策に伴って見込まれる公的債務の拡大は「完全に対処可能で乗り越えられる」と指摘。「民間投資が非常に低迷している時に、人々を助け、人々の雇用を維持し、公共投資を押し上げるために借り入れをするのは正しい行いだ」と述べた。
豪中銀は7日、ビクトリア州での新型コロナウイルス感染者急増を受け、国内総生産(GDP)見通しを下方修正し、失業率は複数年にわたり高止まりするとの見方を示した。
オーストラリア経済は新型コロナの影響でリセッション(景気後退)に陥ったが、これまでのところ経済への打撃は当初予想されていたほど大きくない。
*内容を追加しました。