[ワシントン 19日 ロイター] - 米大統領選に向けた野党・民主党の全国大会は3日目の19日、副大統領候補にカマラ・ハリス上院議員を正式指名した。ハリス氏は受諾演説で、大統領候補となったバイデン前副大統領への支持を呼び掛けるとともに、トランプ大統領が指導力を欠いて人々の命や生活を犠牲にしたと批判した。
黒人女性として、またアジア系米国人としても初の副大統領候補となるハリス氏は、女性や若者、非白人など政権奪還の鍵を握る有権者層に直接語りかける形で、バイデン氏を支持する重要性を強調した。
「われわれは分岐点を迎えている。絶え間ない混乱でわれわれはさまよっている。無能さによって恐怖を感じている。冷淡さによって孤独を感じている」とトランプ大統領を批判。「黒人、白人、ラテン系、アジア系、先住民──われわれ全てが望む将来を達成するため団結をもたらす大統領を、ジョー・バイデン氏を選出しなければならない」と訴えた。
この日はオバマ前大統領も演説を行い、トランプ大統領が「自身と友人のため」だけに職権を利用していると批判した。
オバマ氏は、トランプ氏が大統領の職務を真剣に受け止め、その重責を感じ、米国の民主主義を尊重することを期待していたと発言。「(就任から)4年近くになるが、彼は仕事に全く興味がなく、注目を浴びるためのリアリティー番組として大統領職を扱うことにしか興味がない」と指摘した。
また、トランプ氏と共和党は国民の投票を困難にしようとしているとし、民主主義にとってトランプ政権は脅威だと警告。「あなた方の権利を奪うことを彼らに許してはならない」と有権者に呼び掛け、早期の投票を促した。
トランプ氏は、全国大会の放送中にツイッターへの投稿で、ハリス氏とオバマ氏を激しく批判し、両氏のバイデン氏への忠誠心に疑問を投げ掛けた。
2016年の大統領選で民主党候補となったヒラリー・クリントン氏は、有権者からトランプ氏に票を投じたり、棄権したことを後悔しているという話をよく聞くと明かし、「もし、こうしていたら、こうしていればという、たられば選挙を繰り返すことはできない」と訴えた。
16年の大統領選で、得票数ではトランプ氏を上回りながら敗北したクリントン氏は、バイデン氏の勝利には圧倒的多数の支持が必要だと強調。同じことが繰り返される事態に警鐘を鳴らした。
「ジョーとカマラは300万票上回っても敗北する可能性がある。トランプ氏が勝利を盗み取らないよう、圧倒的多数の支持が必要だ」と語った。
この日はペロシ下院議長やエリザベス・ウォーレン上院議員も演説した。
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