[マニラ 20日 ロイター] - フィリピン中央銀行は20日、主要政策金利の翌日物リバースレポ金利を過去最低の2.25%に据え置いた。ロックダウン(都市封鎖)が段階的に緩和され景気回復の兆しが見られるため、追加で利下げする差し迫った理由はないとの認識を示した。
中銀は今年これまで4回連続で利下げしていた。
翌日物預金金利と翌日物貸出金利もそれぞれ1.75%、2.75%に据え置いた。
ロイター調査によると、調査対象機関15社のうち13社は据え置きを予想。2社は25─50ベーシスポイント(bp)の利下げを見込んでいた。
ジョクノ総裁はオンライン会見で声明を読み上げ、「理事会の決定はインフレを巡る環境は良好との判断に基づいている」と説明した。
「同時に封鎖の段階的解除と金融システムの潤流動性を背景に国内の経済活動に回復の兆候が見られる」との認識を示した。
中銀は2020年のインフレ率見通しを2.3%から2.6%へ、21年は2.6%から3%へ引き上げた。依然として目標とする2─4%の範囲にとどまっている。
フィリピンの第2・四半期国内総生産(GDP)は前年同期比16.5%減と、1981年の四半期GDP統計開始以来、最大の落ち込みとなり、29年ぶりのリセッション(景気後退)に入った。
ジョクノ総裁はこれまでの利下げや規制措置の効果が経済に完全に浸透するまでには時間がかかると指摘した。その上で、中銀は「必要に応じて保有するあらゆる手段を活用する」用意があると改めて表明した。
キャピタル・エコノミクスのアジアエコノミスト、アレックス・ホルムズ氏はリポートで「回復は緩やかで起伏を伴うとみられるため、さらなる緩和の必要性は明らかだ」との見方を示し、数カ月以内に利下げがあると予想した。
*内容を追加しました。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20200820T084543+0000