[ドバイ 25日 ロイター] - イランのロウハニ大統領は25日、米国がイランとの新たな合意を望むなら、まずは米国が2年前に離脱した2015年のイラン核合意に復帰する必要があると述べた。
テレビの記者会見で「米政府によるイランへの最大の圧力政策は完全に失敗した。米政府がわれわれとの合意を望むなら、その時は米国が核合意から離脱したことを謝罪し、復帰すべきだ」と語った。
さらに、「トランプ米大統領はよくしゃべる。トランプ氏であろうとなかろうと、次期米大統領はイランに対し異なるアプローチを取るべきだ」と述べた。
国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長はこの日、イランが過去の核開発疑惑に関連した施設2カ所への査察問題を巡り同国を訪れ、サレヒ原子力庁長官と会談した。
イラン学生通信(ISNA)によると、サレヒ長官は「非常に建設的な対話をした。IAEAが独立した専門的な責任を遂行し、イランは法的義務を果たすことで一致した」と語った。
その上で「イランとIAEAによる連携の新たな章が始まる」としつつも、「イランは2015年の核合意に基づくコミットメントを超える要求には応じない」と言明した。
グロッシ事務局長はツイッターへの投稿で「イランでのIAEAによる安全検証活動を巡り合意を模索している」と述べたものの、詳細には踏み込まなかった。しかし、関係筋によると、イランが2施設への査察官立ち入りで合意した可能性もあるという。
米政府は先週、国連安全保障理事会に対して2015年の核合意に基づく制裁を再発動するよう要請。ただイラン政府は、グロッシ氏の訪問と米国の行動に関係はないとしている。
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