[シドニー 16日 ロイター] - オーストラリア政府筋は16日、中国が国内紡織会社に豪州産綿花の輸入を停止するよう指示したと明らかにした。両国の貿易関係悪化が改めて浮き彫りになった。
在中国の豪当局者から説明を受けた豪政府筋はロイターに対し「(中国の)紡績会社は基本的に輸入枠を割り当てられるが、豪州産綿花を購入すれば来年は輸入枠を得られない可能性があると通告されている」と述べた。
豪州産綿花の購入を続ける紡績会社は、40%の関税をかけられる可能性があるという。
バーミンガム貿易・観光・投資相は、綿花の輸出状況の変化を政府は承知しているとコメント。その上で「生産者の平等な競争を妨げるのは、中国の国際的な責任に反する可能性があり、オーストラリアは非常に重大に受け止める」と述べた。
在豪中国大使館はコメントの要請に現時点で応じていない。
中国は豪州産綿花の最大の輸出先で、2018/19穀物年度の輸出額は約9億豪ドル(6億3740万米ドル)だった。
豪政府が中国による内政干渉を主張するなか両国関係は悪化しており、モリソン首相が新型コロナウイルスの起源を巡る独立した調査を呼び掛けて以降はいっそう冷え込んでいる。
今週には、中国が豪州産石炭の輸入を停止したと報じられ、豪政府は報道内容を調査していると明らかにした。