[シドニー 20日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)が20日公表した理事会議事要旨によると、10月の理事会では政策金利のキャッシュレートをゼロに向けて引き下げることや期間が長めの国債買い入れなど、追加緩和の可能性について議論が行われた。
海外でのバランスシート拡大の延長が、多くの先進国で国債利回り低下につながったことを指摘した。
理事会は、為替相場の意味合いについても協議した。借り入れコストと豪ドルの押し下げに向け、中銀が近く、追加利下げと債券買い入れ拡大に動く可能性をこれまでになく明確に示唆する内容となった。
20日の豪10年債利回り (AU10YT=RR)は0.75%で、月初の0.9%から低下している。これは米国債と同様の水準だが、依然として英国、ドイツ、フランス、カナダ、日本より高い。
豪中銀は、3月に50ベーシスポイント(bp)引き下げて以来、政策金利を過去最低の0.25%に据え置いている。
ロイターのエコノミスト調査によると、11月3日の理事会では政策金利が15ベーシスポイント(bp)引き下げられ、過去最低の0.1%となる見込み。
議事要旨によると、理事会では、新型コロナウイルス対策後に経済活動が再開する中で、さらなる政策緩和は効果的との見解が示された。
議事要旨発表前にケント総裁補は、政策ツールの1つとして債券買い入れ拡大を指摘した。[nT9N2B601J]
理事会では金融緩和とは別に、「意思決定において、予想ではなく実際のインフレにより重きを置くため」フォワードガイダンスの性質も話し合われた。
「高失業率への対応が国家の優先課題との認識から、政策金利の引き上げを検討する前に、完全雇用に向けての進展を見極めたいとの意見が示された」という。
*内容を追加しました。