[ブラジリア 20日 ロイター] - ブラジルのゲジス経済相は20日、同国が1年以内に経済協力開発機構(OECD)に加盟する見込みだとし、準備作業の約3分の2がすでに完了していると明らかにした。ミルケン研究所主催のオンラインイベントで述べた。
同相はまた、政府系金融機関であるブラジル連邦貯蓄銀行の「デジタル」部門の新規株式公開(IPO)を計画していることも明らかにした。
同相は「OECDに近く加盟する。加盟要件の3分の2を満たしつつあり、おそらく1年以内に加盟するだろう」と述べ、透明性や規制、反汚職、調達に関する進展を強調した。
ポンペオ米国務長官は19日、米国の支持の下、ブラジルがOECD加盟に近付いているとし、「できるだけ早期の(加盟)実現を望んでいる」と述べていた。
ゲジス経済相は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)への対応で政府支出は今年の国内総生産(GDP)の約10%相当に達したが、民営化や資産売却、財政規律、規制緩和といった経済改革への取り組みは再び軌道に乗っているとの確信を改めて示した。
財政支援策の大部分はブラジル連邦貯蓄銀行を通じた貧困層向け給付金だとし、同行のデジタル銀行は突如として非常に多くの新規顧客を得たと指摘。
「6400万人がデジタル化された。6400万人の顧客を持つ銀行がどれほど価値があるだろうか。低所得層だが、(銀行に登録するのは)初めてであり、生涯にわたって忠実な顧客になるだろう」と語った。
「設立から6カ月足らずのこのデジタル銀行のIPOを計画している」と述べた。
また、過去1年半にわたるブラジルの金融緩和や財政引き締めへのシフトが通貨下落につながっているとした上で、投資家や企業がこうしたリスクをヘッジできるよう、政府は中央銀行と協力しメカニズムの構築に取り組んでいると述べた。
ブラジル経済については今年、約4%のマイナス成長になるという19日に示した見通しを繰り返した。通貨安が輸出を支援することなどから、数カ月前に多くのエコノミストが示した予想よりも楽観的だとした。