[ロンドン 29日 ロイター] - 金の国際調査機関のワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、第3・四半期の世界の金需要は11年ぶり低水準だった。投資家の需要が鈍化するとともに、準備資産の一部として金を保有する中央銀行が10年ぶりに金売りに転じた。
新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、通常金需要を最も支える宝飾品向けの需要が減少する一方、安全資産としての金需要は伸びていた。
第3・四半期に宝飾品向け需要は中国やインドなどで若干回復したが、金上場投資信託(ETF)向け需要の伸び悩みを補うほどではなかった。
第3・四半期の世界の金需要は、前年同期比19%減の892.3トンと、金融危機時の2009年第3・四半期以来の低水準だった。
1─9月の需要は前年比10%減の2972.1トンで、2009年以来の低水準となった。
WGCのKrishan Gopaul氏は、第4・四半期には中国とインドの宝飾向け需要が増加し、中銀が再び買いに転じる可能性が高いと指摘。ただ、景気の先行き不透明感や低金利、政府の景気刺激策を背景に、投資家が引き続き金市場をけん引するとの見方を示した。