[シドニー 15日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)のジョナサン・カーンズ金融安定局長は15日、国内銀行について、2008-09年の世界的な金融危機前に比べて、景気悪化への備えができているとの認識を示した。
保有する流動資産が大幅に増えているという。
同局長はオンライン銀行のイベントで「銀行の資本は十分だ」と発言。国内銀行の中核的自己資本(Tier1)比率は平均で14%近くと、2007年からほぼ倍増していると指摘した。
同局長は「重要な点だが(国内銀行には)維持すべきバッファーではなく、利用できるバッファーが大量にあり、今後も顧客への融資と支援を続けることが可能だろう。これが景気回復につながる」と述べた。
同局長は、国内銀行が利益を計上しているとも指摘。昨年の利益総額は340億豪ドル(256億米ドル)、株主資本利益率(ROE)は11%で資本コストを上回っているという。
オーストラリア健全性規制庁(APRA)は15日、国内銀行が支払う配当金への制限を来年解除すると発表した。新型コロナウイルスの流行後に経済状況が改善していることが理由。