[ブリュッセル 16日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会のフォンデアライエン委員長は16日、英国と貿易協定を結べるかどうかは何も言えないとしつつ、交渉は進展しており、向こう数日間が重要との認識を示した。
委員長は欧州議会に対し「今のところ、合意があるのかないのかについて語ることはできない。しかし、合意に向けた道筋ができていると言うことはできる。この道は非常に狭いかもしれないが、そこにある」と説明。
「われわれは大部分の問題について前に進む方法を見いだしているものの、依然として2つの問題が残っている。それは公正な競争条件と漁業権だ。ガバナンスに関連した問題は大筋で解決したと報告できることをうれしく思う。今後の数日が決定的に重要になる」と述べた。
「漁業権について交渉は依然として非常に厳しい」と指摘する一方で、企業の公正な競争条件の確保については進展があったと明らかにした。
「基準に関して(現在共有している水準から引き下げない)非退行(non-regression)の強力な仕組みで合意した。これは大きな前進だ。われわれの労働・社会・環境に関する高い共通の基準が損なわれないようにするためのものだ」と述べた。
「将来にわたって公正な競争をどう実現するかという難題がまだ残っている。しかしガバナンスに関連した問題がおおむね解決されつつあることを報告できるのは喜ばしい」と語った。
「これらの問題を解決できないと感じられる時もある」としつつ、交渉を続けることを約束した。
英政府高官はフォンデアライエン氏の発言について「われわれはいくつかの問題で前進したが、主要な分野ではまだ大きな隔たを埋められていない」との認識を示した。
漁業権について、あるEUの高官は、向こう3年間EU加盟国の権利を認め、その間に新たなルールを協議するという英国の提案は拒否しており、双方の主張が「かけ離れている」と指摘した。
英議会は17日にクリスマス休暇に入るが、合意に達した場合は緊急招集され、早ければ来週にも承認する可能性がある。
ドイツのメルケル首相は、EUは合意を希望するが、どちらにしても準備はできているとし、まだ突破口はないと述べた。
漁業面の割り当てを巡って英国と対立しているマクロン仏大統領は、ロンドンと最善の関係を望んでいると語った。
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