[アムステルダム 21日 ロイター] - 欧州医薬品庁(EMA)は21日、米ファイザーが独ビオンテックと共同開発した新型コロナワクチンを承認した。
EMAの承認を受け、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会はこの日のうちに承認する見通し。欧州委員会のフォンデアライエン委員長は「われわれは素早く行動する。欧州委は今晩までに承認する公算が大きい」とツイッターに投稿した。
フォンデアライエン委員長はこれまでに、27─29日に接種を開始できるとの見通しを表明。ドイツ、オーストリア、イタリア、フランスは27日に開始する考えを示している。
EMAのエグゼクティブディレクター、エマー・クック氏は、「ワクチンのみでは、感染拡大前の生活に戻るための万能薬にはならない。ただ、今回のワクチン承認は正しい方向に向けた大きな一歩で、2021年は今年よりも明るくなる可能性がある」と述べた。
感染力が強い変異種の新型ウイルスが出現したことについて、EMAはワクチンの効用に影響はない公算が大きいと指摘。EMAのワクチン戦略部門を率いるマルコ・カバレリ氏は「まだ完全に確証は得ていないが、それでも開発されたワクチンは変異種にも効果があるとみられる」と述べた。
EMAは承認にあたり、妊娠中の女性に対する接種はケースバイケースで判断するよう推奨。提出された臨床試験(治験)結果のデータでは、妊娠中の女性に対する潜在リスクの有無を十分に判断できなかったとした。
また、過去に「アナフィラキシー反応」と呼ばれる深刻なアレルギー反応を起こしたことがある人は、接種を受ける際に慎重に対応するよう呼び掛けた。これまでに英国と米国で、接種後のアナフィラキシー反応の症例が報告されている。
EUは域内の全人口4億5000万人の70%の接種を目指している。
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