[バンコク 23日 ロイター] - タイ中央銀行は23日、2021年の成長率見通しを3.2%とし、従来予想の3.6%から引き下げた。政策金利の翌日物レポ金利は予想通り過去最低の0.50%に据え置いた。
金利据え置きは5会合連続で全会一致による決定だった。
ロイターが調査したエコノミスト13人のうち、1人を除いて現状維持を予想していた。1人は25ベーシスポイント(bp)の利下げを行うとみていた。
中銀は、国内経済の回復が続いているが、依然として下振れリスクが高く、低金利政策が必要だと表明した。
中銀は今年3回の利下げを実施している。
中銀は「今回の会合では、限られた政策余地を残し、最も効果が高い適切なタイミングで行動できるよう、政策金利を据え置くことを決めた」と述べた。
カシコーン銀行の資本市場調査部門トップは、債務の返済猶予が終わり、資産が劣化する恐れがあり、中銀は来年第1・四半期に利下げする可能性があると指摘。「トンネルの向こうに光が見えるが、まだわれわれはトンネルの中にいる」と述べた。
中銀は2020年の経済成長率予測をマイナス7.8%からマイナス6.6%に上方修正した。
来年の外国人観光客の予想は900万人から550万人に下方修正した。昨年の実績は約4000万人だった。
首都バンコク近郊では、週末に新型コロナの集団感染が発生。すでに1000人以上が感染している。同国は、反体制派による抗議活動の長期化、バーツ高、物価の低迷といった問題も抱えている。
中銀はバーツ高への懸念を改めて表明。必要に応じて対応策を検討する方針を示した。
中銀の金融政策委員会の幹部は会見で、新型コロナの感染拡大は制御可能で、経済には一定の影響しかないとの認識を示した。
*内容を追加しました。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20201223T084752+0000