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情報BOX:トランプ氏公職資格剥奪はあるか、今後の手続き

発行済 2021-01-14 12:53
更新済 2021-01-14 12:54

[13日 ロイター] - 米下院本会議は13日、トランプ大統領が支持者をあおって連邦議会議事堂を襲撃させた「反乱扇動」を理由に、罷免を求める弾劾訴追決議案を賛成多数で可決。一部議員は、トランプ氏の公職に就く資格も剥奪するべきだと訴えている。

決議案は上院に送付され、本会議で開く弾劾裁判で罷免や公職資格剥奪の是非が審理される。法律専門家によると、公職資格剥奪は弾劾手続きを通じて、あるいは合衆国憲法修正第14条に基づいて実現できるという。

公職資格剥奪がどのように進められる可能性があるかを示す。

◎弾劾手続きによって公職資格剥奪はできるか

合衆国憲法は弾劾される公職者の処罰について2つの方法を定めている。1つは罷免で、もう1つは「米国において名誉と信頼、利益を得られるあらゆる公職に就く資格を取り消すこと」だ。

下院が可決した弾劾訴追決議には反乱扇動への非難が記されているだけだ。そのためトランプ氏は審理で、自分の発言は憲法修正第1条に規定される言論の自由によって保護されるはずで、支持者に「戦え」と促したものの、文字通り暴力を求めるつもりはなかったと主張する可能性が高い。

大統領の有罪・罷免には出席議員の3分の2の賛成が必要。従来の判例に照らせば、公職資格剥奪は単純過半数の支持で成立する。ただこれまで公職資格剥奪の採決は、罷免が決まった後で実施された例しかない。

米国の歴史において弾劾手続きを経て資格を失った連邦公職者は3人で、いずれも連邦判事だった。直近では2010年に上院が、汚職に関与したルイジアナ州の判事が公職に就く資格を取り消した。

ミシガン州立大学のブライアン・カルト教授(法学)は、公職資格剥奪に関する条項の適用範囲、そして大統領に当てはまるかどうかを巡っては議論があると指摘する。

法律専門家の間では、歴史的な文書の分析を根拠に、建国の父たちが大統領職を公職資格剥奪条項の対象になる「公職」と見なすつもりはなかったと判断できるとの意見もあるが、大統領にも適用されるとの解釈もあり、対立している状況だ。

◎弾劾裁判で無罪でも公職資格を剥奪できるか

コロラド大学のポール・カンポス教授(憲法学)は、弾劾裁判でトランプ氏の有罪・罷免が可決されなくても、公職資格剥奪の採決を行うことは可能だと考える。連邦最高裁は、上院には弾劾裁判のやり方に関する幅広い裁量権があるとの見解をはっきり打ち出してきているからだという。

しかしミシガン州立大のカルト氏は、公職資格剥奪はあくまで有罪・罷免が前提になるはずで、そうでないとトランプ氏は、犯していない罪で罰せられる形になると説明した。

公職資格を失った3人の判事も、全てまず有罪・罷免の判決が下されていた。

◎憲法修正第14条とは

憲法修正第14条3項は、公職資格剥奪に向けた別の方法を提示する。合衆国に対する「暴動もしくは反乱」にかかわった人物はなんぴとたりとも公職に就いてはならないとする規定だ。これは南北戦争後に南軍側の人々が公職に就くのを禁じるために策定された。

議会での先例では、上下両院とも単純過半数が賛成すればこの処罰を下せる。その後両院の3分の2が賛成した場合のみ、公職資格を復活できる。

1919年には、米国の第1次世界大戦への介入に積極的に反対していたとの理由から、ビクター・バーガー下院議員が適用対象になり議員の地位を奪われたことがある。

同項の文章は、この項目がどのように発動されるべきかを明確に説明していない。

修正第14条の5項では、議会に「適切な法手続き」を通じて第14条全体の手直しをする権限を認めている。一部の学者の解釈では、両院の過半数が賛成すれば、トランプ氏など特定の名指しした大統領の公職資格禁止も可能になる。

カルト氏は「修正第14条経由の公職資格剥奪は、実施のために必要な要件が非常に不鮮明だ。私は、何らかの形で立法行為と訴訟を組み合わせなければならないと思う」と述べた。

◎トランプ氏は法廷で異議を申し立てられるか

1993年の判決で、連邦最高裁は上院の弾劾裁判方法に対して是非を審理することに消極的な姿勢をはっきり打ち出している。最高裁は、判事1人の弾劾を巡る当時の係争で、上院の弾劾裁判方法が適切だったどうかは政治問題であり、それに対する訴訟は起こせないとの見解を示した。

ただカルト氏は、トランプ氏が公職資格を剥奪された場合、現在の最高裁なら、そうした措置が法によって認められるかを明確にしたいと考えるかもしれないとみている。

トランプ氏は9人の最高裁判事のうち、ニール・ゴーサッチ氏、ブレット・カバナー氏、そしてごく最近にエイミー・コニー・バレット氏を任命。この3人を含めて保守派判事が6人を占めているからだ。

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