[ロンドン 14日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)が14日公表した月次報告によると、米国のシェールオイルの見通しは価格上昇によりやや楽観的になっており、今年後半には生産がさらに回復すると指摘した。減産政策が競合国の増産を後押ししていることが示された。
米シェールオイル生産は、OPECやロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」による協調減産の対象外。
月報によると、2021年の米石油供給量は日量37万バレル増の1799万バレルで、従来予想から7万1000バレル増加した。
OPECは、今年の供給見通しについて「原油価格の上昇と一段の生産量回復が年後半に予想されることから、米シェールオイルにとってはやや楽観的だ」と指摘した。
世界の需要見通しについては変更せず、今年の石油消費量は日量590万バレル増の9591万バレルになると予想。昨年は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響で日量975万バレル減と、過去最大の落ち込みになった。
OPECは今年の世界経済成長をプラス4.4%と予想しているが、コロナ変異種や感染増加、ワクチン普及の遅れなどが少なくとも第1・四半期の回復の妨げになる恐れがある。
月報によると、OPEC生産量はすでに増加に転じ、12月は日量28万バレル増の2536万バレル。減産を免除されているリビアのほか、イラクとアラブ首長国連邦(UAE)が主導した。
OPECは今年の原油需要を日量2720万バレルと予想し、先月から変わらず。この水準ではOPECの平均生産量は増加することになる。