[ワシントン 14日 ロイター] - 米財務省は14日、2008年の金融危機時に政府管理下に置かれた米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)に関する取り決めの変更を発表した。政府管理を終わらせるための道筋を示した格好だが、バイデン次期政権に多くの課題も残した。
具体的には、両公社の資本増強の取り組みを後押しするため、配当再開に必要とされる最低限の資本を達成するまでは、財務省への優先株配当の支払いを免除する代わりに、同省の優先弁済権を保持資本の増加に伴い引き上げる。
米連邦住宅金融庁(FHFA)が昨年最終決定した規則によると、両公社は最低2830億ドルの資本を積み増すまでは配当が支払えない。財務省によると、現在の資本水準は350億ドルにとどまっている。株主への配当再開や政府管理からの脱却には何年も必要になるとみられる。
新たな取り決めによると、両社は政府、株主との間で争われている訴訟が解決するまでは政府管理から脱却できないほか、財務省が発行済み株式の約80%に相当するワラント(新株引受権)を行使するまで普通株を発行できない。
トランプ政権は国内住宅ローン残高の半分以上を保証する両社の再民営化を切望したが、未達となっており、バイデン次期政権に持ち越されることになる。
民主党はトランプ政権の方針について、手頃な住宅提供に悪影響が及ぶとして批判してきた。専門家は、バイデン氏が再民営化問題を棚上げする可能性を指摘する。
財務省の高官は14日、ムニューシン財務長官とバイデン氏が次期財務長官に指名したイエレン氏がこの問題について協議したと明らかにした。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20210115T013240+0000